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zoom RSS 明治・大正・昭和華族事件録〔千田 稔/著〕

<<   作成日時 : 2010/07/09 21:51   >>

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画像華族とは―、旧公家、旧諸侯、国家に貢献した者などに、政府が与えた身分である。
皇室の藩屏であり国民の模範とされた。だが彼らの特権ゆえか人の子に過ぎぬ証左か、華族のなかには、さまざまな事件に関与する者が現れる。
当時の新聞を騒がせた人間ドラマを完全収録。


やっと読了しました。
通勤電車内で毎日読んでおりましたが、中々終わらない。読み応え抜群でした。

タイトル通りの華族の方々が巻き起こしたり巻き込まれた事件の数々を収めた本です。
興味深い事件ばかりなのですが、中には真相は薮の中で終わってしまったものもあり、そこらへんが少し残念です。
報道規制のようなものとか圧力などがかかって事件の追求を有耶無耶にされたところもあったのかもしれませんね。

“事件内容ごとに典拠があればわかりやすいのに…”と思っていたら、読みずらくなるから外したんだそうです。
文庫版のあとがきに“具体的典拠に関心のある方は、文庫版じゃない方を参照して下さい”なんて書いてありました。
いちいち載せてくれた方がわかりやすいのに〜〜。
この事を知っていたら、文庫版の方で読まなかったかも?と少し思いましたが、内容には満足の本です。

いくつか印象に残った事件を。
「第1章 華族の殺人・同未遂事件」では、「将軍家末裔のひき逃げ 男爵徳川厚の交通違反」
「第2章 華族の詐欺事件」では、「上流公家分家、利用される 男爵九条良致の不渡り手形発行」

「第3章 華族の不倫、放蕩、散財」では、「放蕩は、祖父、父ゆすりなり 伯爵後藤保二郎の放蕩」
後藤家の話は星新一氏の「明治の人物誌」でも取り上げられていますが、こちらの方が短くまとまっているので読むのが楽だと思いますが、おもしろさは「明治の人物誌」の方ですな。
同章の「華族子息・息女の放蕩」もケッサク揃い。中でも「侯爵東郷元帥家令嬢の家出」が興味深い内容でした。
東郷平八郎氏の孫娘良子が家出先で女給となり、カフェーの人気者になるのですが、身分のある方の家出、しかも女給というのが、かなり不味かったようで、身内の人間が記者の前で“家出したのは学習院に提出する宿題ができなかったから”など色々な言い訳しているのが現代人の自分から見ると何というか、アホ臭いというか…
確かに黙って家を出るのはマズいんですけど、出た先できちんと仕事をしているんだからイイじゃないかと思ってしまいます。

「第4章 華族の情死・自殺」では、「生活苦による自殺、社会に衝撃 男爵鷲尾夫人の自殺」
事件の多くは身分にあぐらをかいた連中の自業自得っぽい話なので、笑って読めるトコもあったのですが、この事件はただ傷ましくやり切れない気持ちになりました。

「第5章 華族のお家騒動」では、「旧臣の主家乗っ取り 旧高取藩主の子爵植村家騒動」
この本の中で一番ゾッとした事件でした。(北九州一家監禁事件に似ていると思いました)
人ひとりに家族全員が手玉に取られるとは思いたくないんですが、昔も今もこういう事件があると考えさせられますね。

「第6章 華族の結婚問題」では、華族の結婚詐欺から「中年子爵は不埒な女たらし 子爵谷の結婚詐欺」
「第7章 華族の思想問題」では、「具視末裔、獄中転向後に自殺 公爵岩倉家の靖子」

と、以上です。
もう少し書きたいトコですが、また別の機会に。


明治・大正・昭和華族事件録〔千田 稔/著〕
明治初期に選定され、昭和20年の終戦とともに廃止された近代日本の新名家=華族の実態と、上流階級を取り巻く様々なスキャンダル・事件を追った迫真のノンフィクション。
【目次】
第1章 華族の殺人・同未遂事件
第2章 華族の詐欺事件
第3章 華族の不倫、放蕩、散財
第4章 華族の情死・自殺
第5章 華族の相続問題
第6章 華族の結婚問題
第7章 華族の思想問題
終章 華族「醜聞」の深刻化

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