かぼちゃの馬車〔星新一〕

画像めまぐるしく移り変る現代社会の裏の裏のからくりを、寓話の世界に仮託して、鋭い風刺と溢れるユーモアで描くショートショート。


星作品再読中です。

表題は御伽話のようで可愛らしいのに、他の短編集よりも現実的な話が多かったように思います。
読みながらイイ感じにイラつかされるし、良い意味でオチが読めないので、最後に“あぁ、そういうコトか”と納得できてスッキリできました。
物語の構成が他のショートショートより凝っているものが多いように思いました。


お気に入りは、
「虚像の姫」「超能力」「質問と指示」「かぼちゃの馬車」「墓標」

「虚像の姫」は、魔法使いとの約束を破った王に生まれた娘が、イイとこを探すのに頭を使わなくちゃならない程のパンチきいたビジュアルで、しかも性格が悪いという身も蓋もない現実的な話。ブーな姫はアンハッピーで終わってしまうのかな?と思いきや、何とかいい感じにまとまって終わりましたね。
面白いけど、おもしろくないわ。
倉橋先生の「大人のための残酷童話」にも、これと似たような話がありましたね。「鏡をみた王女」(こちらの元ネタは「春琴抄」)そっちはホントにどうしようもない終わり方でした。

「超能力」はあったら便利かもしれないけど、実際、こんな力があったら自分も周囲も困るだろうなぁ~って話でした。
最後は奥さん逃げちゃってるし。

「質問と指示」は、読んでて一番イライラしたっ!(星ワールドに出てくる天使や妖精って、人をイラつかせる天才ばっかね)
“それがわからないの”しか言わない妖精にもイラつくけど、依存心の強い主人公にもっとイライラさせられました。
一時期話題になってた“指示待ち族の若者とそれを理解できない年のいった上司のような会話”とも取れますね。

表題作の「かぼちゃの馬車」は、女性の“褒め言葉を食べて生きている”姿と変化していく様子がよく書けていて、おもしろくて好きなんだけど、実際、女があそこまで自信が持てたら、薬の効力なんかなくても何とかなっちゃうと思うんですよね~。
初読の時は悲しいラストにガッカリしたんだけど、その数十年後、無駄に自信満々な●スを見てしまった事がありましてね…。
(ホント、ウザいブ●だった)
“自惚れ屋”の●スがいることを知ってしまった今、どうもあのオチに納得しずらいモノがあるんですよね。
あ、でも「かぼちゃの馬車」の主人公は、ほんの一時でも綺麗になったのだから、まだ許せるかな。

「墓標」は短さがサイコーだしオチもサイコーです。
これを短編集の最後に持ってくるトコもサイコーだと思います。


かぼちゃの馬車〔星新一〕
【目次】
秘密結社
なるほど
虚像の姫
ご要望
厳粛な儀式
外見

七人の犯罪者
大洪水
高度な文明
確認
疑念
常識
ナンバー・クラブ
若返り
大転換
新しい遊び
子供の部屋
処刑場
超能力
現在
質問と指示
悪魔の椅子
治療後の経過
交代制
事実
かぼちゃの馬車
墓標

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