ベニスに死す〔1971〕

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午前十時の映画祭10にて鑑賞。


午前十時の映画祭ファイナルで一番楽しみにしていた『ベニスに死す』。
この美しい映画を堪能するには相応な場でなくてはいけないと思い、TOHOシネマズ日本橋まで出向きました。

かなり久々に観ましたが、今回はタージオの美貌より主人公のアッシェンバッハに目が行ってしまいました。

孫と言ってもいいくらいに歳の離れている美少年タージオに堕ちてしまったアッシェンバッハ。
もう惨めで惨めで痛い痛いアッシェンバッハの姿に涙が出てきましたが、どうしても彼を可哀想だと思えないのです。

結実しない恋に堕ちた男の末路を哀れと思う人もいるかもしれませんが、自分の恋心を燃やし尽くしたアッシェンバッハは幸せだったと思います。

昔は『ベニスに死す』の高貴さと耽美性に夢中になっていましたが、これは純愛映画でもありますね。
はぁ…。
自分で感想を書いていて、アッシェンバッハが羨ましくなってきました。
10年前では、絶対こうは思えなかったのですが。
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話は変わります。
この話はTwitterで知ったのですが、『ベニスに死す』は公開当時イタリアでは“高尚すぎる”ということで、あまり評価されなかったそうです。
(もっと違う表現だったかも?)
しかし、日本で公開されるやいなや評判を呼び、ヴィスコンティ監督のもとには日本の女子高生達から好意的な手紙が多数届き、監督は“日本の女子高校生達はわかってくれている”と喜ばれたそうです。
“70年代の洋風な少女漫画に染まっていた女子にはどストライクな映画だったのではないか”と、つぶやいていた方も書いていました。
(記憶を頼りに書いているので、あちこち違うかも?)

うん。確かにその通りだなと思いました。

『ベニスに死す』が無ければ、「風と木の詩」「ポーの一族」「パタリロ!」を始めとする数々の“耽美文化”は生まれなかったワケですから、影響力の大きさは推して知るべし。言わずもがな。
いや、万が一映画公開が無かったとしても、少女漫画界に“耽美文化”は生まれたのかもしれませんが、もっと遅れたかもしれません。
(言っとくが、今流行りのBLとやらと“耽美”を一緒にするなよ?)
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あと、もう一つ。
自分は「パタリロ!」(単行本5巻は最高です!)のおかげで『ベニスに死す』を知ったのですが、その影響で「ビョルン・アンドレセン」が俳優名ではなく、作中の氏名だと思い込んでおりました。
謹んで、ここに記しておきます。
てか、作中の名前より魅力たっぷりって…!紛らわしいンじゃ!!!!

下の画像は、海外版のBlu-ray版(4Kだったかも?)のパッケージデザインです。
どストライクです。早く日本版のBlu-ray版も出してほしいです。
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