火車〔宮部みゆき〕

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自己破産、カード破産、個人破産を題材にした宮部みゆき原作『火車』に登場する『溝口悟郎弁護士』。
皆さんもご存知、2020年東京都知事選に立候補された宇都宮健児氏がモデルとなっています。

2020年6月中旬に「久々に読みたい」と思って各書店を巡ったのですが、あの話題作『ジョテー』は平積みにされているのに、宮部みゆきさんの『火車』の文庫本が行く先々の書店で売っていなかったのです。
  
他の過去作品や直近の作品はそろっているのに『火車』だけが無い。
何故?
これでジュンク堂も全部無かったら、どうしてくれようか。
 
いやあの。
無いなら、無いで仕方ないんですよ。
文庫になったのが98年ですから。約20年前。
でも『龍は眠る』や『レベル7』『魔術はささやく』など、ほぼ同時期に発行された文庫が並んでいるのに『火車』だけが無いのが、すごく引っかかりました。
なんで買いたいのか?って?
『火車』の新書は持っているのですが、知人に『蒲生邸事件』と一緒に貸したママにしてしまっているのです。 
いや、いいわ。次に行くジュンク堂では絶対に買う。
と思っていた数日後、オリオン書房さんにありました。
無事に買えたので再読したところ、ほぼ内容を覚えていました。
当時、夢中になって何十回と読み返していた事と宮部先生の文体が読みやすいおかげですね。
(2020年の6月末に書いていた文章ですが、こっちにアップするの忘れてました)

さて、『火車』の話を少し。
行方不明になった甥の婚約者・関根章子を探すことを引き受けた休職中の本間刑事。
本間刑事が調査を進めていくにつれ、不可解な事実と驚くべき真実に明らかになっていく話です。
本編の主人公の本間刑事に『多重債務、自己破産』について溝口弁護士が詳細に語るシーンがありますが、あの台詞は宮部先生が宇都宮氏に取材した時の言葉を使っているそうです。

どうりで。
『なんか、生々しいなぁ』と思ってました。
あと、えらそうな感想になりますが、そのシーンは『宮部先生の文章になっていないな』と思ったんです。
宇都宮氏の言葉がそのまま出ているのであれば、それも納得です。

宮部みゆき原作の『火車』ですが、未読の方はこれからでもどうぞ。
約30年前の小説ですので古臭く思えるところもあるかもしれませんが、30年前よりも格差が進んでいる今の時代だからこそ、読んでおくべき一冊だと思います。

この小説に初めて出会った時、週末まで我慢できなくて火曜日あたりから読み始めてしまい、そこからもう止まらなくなって、平日中ずっと睡眠不足でした。
数年後、会社の先輩に『火車』をオススメしたら、同じことになってました。
その先輩も『火車』から宮部作品にハマり、次々と他の作品を読み漁って行きました。
その後、友人にも薦めたら、同じように睡眠不足になり、他の宮部作品も次々と読みまくって行きました。

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