8 1/2〔1963〕

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言わずと知れたフェリーニの代表作であり、21世紀になった今も語ることをやめさなせない革新的映画の一つ。


2020年12月に観た『声優夫婦の甘くない生活』にフェリーニへの敬愛に影響され、久々に『8 1/2』自宅で鑑賞しました。
(遠い昔、洋画かぶれの友人の前で「はちとにぶんのいち」と読んで大笑いされたことは、今でも苦い思い出です)

初めて観た時は「何だこりゃ?」で終わってしまいましたが、シーンの一つ一つが印象的で記憶に留まる映画だと長いこと思ってました。
しかし、自分がトシ食ってから再見すると、実は現実的な話なのかなと思うようになりました。

主人公の映画監督は「現実」にかなり疲れている人物なんですよね。
「ホントは一人でゆっくり療養しながら新作の構想を練りたいのに、周囲の映画関係者は療養先の温泉地でも勝手な事を言ってくる。かと言って、新作の構想なんてカケラも浮かばない」という、何とも世知辛い話なのです。
だからこそ、最後のシーンでより解放感を味わえるのですが、今回は前半部の方に面白さを感じました。
(数年後に再鑑賞したら、また感想は変わるかもしれません)


さて。
『声優夫婦の甘くない生活』きっかけでググったところ、ソ連での『8 1/2』にまつわる話で興味深い記事を見つけたので、ここに転載します。
フェデリコ・フェリーニ監督の映画「8 1/2」にまつわるもの。
グレゴリー・チュフライ率いる審査員団は大賞をこの映画にしようとしたが、この映画の上映中に居眠りをしていたニキータ・フルシチョフ第1書記は激怒。
チュフライは呼び出され、ソ連の映画「バルエフをよろしく」に大賞を与えるよう求められた。だがチュフライ監督は大胆不敵に主張を固持した。
「8 1/2」が映画界で新たな時代を拓いた一方で、「バルエフをよろしく」については皆、次の日には忘れていた。

「そりゃそうなるだろうよ」という話ですね。
「バルエフをよろしく」という映画、この記事で初めて知りましたから。

ちなみに、
最初のベネチア映画祭を考案したのはムッソリーニ。「ファシズムの優位性」を証明するために。
次の映画祭を考案したのがスターリン。「社会主義の優位性」を証明するために。
国際的な映画競争は独裁者たちの思惑が生んだものだったそうです。
(プロパガンダってヤツですね)
しかし、スターリンは1935年の第1回開催直後、映画祭を閉鎖。第二次世界大戦が差し迫り、映画どころではなくなっていたからです。



あと、最後に。
どうでもイイ話ですが、書いておきたい。

『8 1/2』は、
監督がFederico Fellini で FF
主演がMarcello Mastroianni で MM
主要キャストの女優二人が
Anouk Aimee で AA
Claudia Cardinale で CC

多分、偶然なのでしょうが、ここまで揃うって、そんなにないですよね。
こういう部分もスゴイよなと思ってしまいました。


↓伊太利亜版ポスター(多分)
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↓仏蘭西版ポスター
国名を確認せずとも「このデザインはフランスに違いない」とわかりました。
さすが、芸術大国。
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↓英国版ポスター
このデザインもスタイリッシュでカッコイイなと思います。
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