盗みも殺しも無意識の奥の遺伝子の記憶が引きおこす。狩猟時代、人類の祖先が味わった「敵を征服し勝利する快感」。現代人の心の深層に流れる「狩人」の血に着目して、凶悪犯罪の発生原因を鮮やかに解き明かす。 犯罪心理学者として精神科医として多数の精神鑑定経験を持つ著者が、いつも抱く疑問がある。 ──犬や猫ですら仲間を殺さないのに、理性も感情もある人間が、なぜ殺人を犯すのか?── 現代人の脳と心の奥には、狩猟時代の人類の祖先たちの血が流れ、「相手を征服し、勝利の快感を得る」願望があるからだ。 ヒトという種に潜む本性に着目しながら、今までにない視点で凶悪犯罪の発生原因を明らかにする。 青土社より刊行された『ヒトは狩人だった』の文庫版(改題、加筆修正、再編集) ヒトの「攻撃性」の視点から、人間性の由来と本質を論じた考察をされています。 人の本性が狩猟者・ハンターだからといって犯罪者を擁護するわけではなく、狩猟行動から同族殺害へ攻撃や暴力へ、幻覚と陶酔へ駆り立てられていく人類の行方をコントロールするには事実の正確な認識が必要であるから、とありました。 序章の「ヒトの本性とは何か」にある、ヒトの発達段階の表を見ると、 ヒトの採集段階は数百万年、狩猟段階が200万年、農耕・牧畜の時代が数千年、工業化社会の時代が数百年、情報化時代は期間は?となっていました。 狩猟段階の期間が200万年と、農耕・牧畜、工業化社会の時代と比べると倍以上長いことが分かります。 中島らもサンが『僕にはわからない』の中で紹介している、第一章の“一家5人殺害事件”の惨たらしい内容と犯人のAの供述(供述というか、福島先生がAに取材しているような内容です)を読んでいると、「ヒトが残酷な犯罪を起こすのは“先祖帰り”の一つかもしれない」と納得しそうになりますね。 有名事件なので内容は省略しますが、犯人のAが立退きに応じない一家を“敵”と見なし徹底的に破壊し尽くしたのは、“原始時代、獣に追われてばかりだった人間達が『殺らなきゃ、殺られる』と狩猟本能を掻き立てて攻撃する側になった”という考えに近い部分があると思います。 殺人と犯罪の深層心理─「攻撃願望」というヒトの本性 序章 ヒトの本性とは何か 第1章 ある大量殺人事件 第2章 身体と意識が過敏になるとき 第3章 無意識の奥の人類史 第4章 深層心理に隠される攻撃衝動 第5章 禁欲と我慢 第6章 性犯罪者たちの行動分析 第7章 支配したい、飼育したい 第8章 血の銘酊 第9章 好奇心と攻撃性 第10章 鍵となる男性ホルモン 第11章 天才たちの狩猟的世界 終章 変化の時代 |
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