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zoom RSS 劇的な人生こそ真実―私が逢った昭和の異才たち〔萩原朔美〕

<<   作成日時 : 2010/11/16 20:40   >>

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画像《面白い人が居ない時代は不幸だ。しかし、面白い人を求める時代はもっと不幸だ》――。

戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の覆面作者・沼正三、「パルコ」の時代を演出した増田通二、「暗黒舞踏」の 王・土方巽、森鴎外の長女にして「ドッキリチャンネル」の森茉莉、「天井棧敷」で素人を演劇人に育てた寺山修司……。
あの時代のホンモノの才人たちが鮮やかに蘇る。
土方巽に「正統な不良」と評された男の不思議回顧録。


森茉莉と沼正三の名前にひかれ世田谷文学館にて購入。
内容の濃い回顧録なのに嫌味が無く、おもしろくてサクサク読めてしまう本でした。


沼正三氏のエピソードは沼氏のマゾヒズム分析とか出版記念パーティーの様子とか、すっごく面白いんですけど、“朔美氏が会ったのは、本物の沼氏だったのかな…”と、思ってしまうんですよね。
もう考えてもキリがないんですけど、“本当に本人かな?”と思ってしまいます。

森茉莉さんの話では、朔美氏の母上の入院に茉莉さんと二人で付き添った話が好きです。
萩原葉子さんも“何故、茉莉さんに頼んだのか?”と、正直思わなくもないんですが、やはり二人は親友で信頼関係ができていたのでしょう。
茉莉さんも荷の重い事は嫌いでしょうに“頼まれるとイヤと言えない人なんだろうなぁ”と、微笑ましく思いながら呼んでおりました。
それ以外は茉莉さんのエッセイや他の本でも読んだことのある内容でしたが、朔美氏の視点で改めて語られると新しい発見がありますね。
感受性の強い反抗期時期の十代に茉莉さんと知り合えたからでしょうか。
茉莉さんも中身は十代の子供に近いところがある人ですし、十代の朔美氏と感性が響き合ったのかもしれないですね。
(ここまで感想を書いてみて、母上が茉莉さんに付き添いを頼んだ理由が見えてきたような気がします)


森茉莉と沼正三の御二人以外では、「パルコを作った増田通二の更地」の話がおもしろかったです。
パルコの存在がファッションや広告業界に与えた影響はかなり大きいのではないでしょうか。
渋谷も(正直、苦手な街なのですが)パルコ無しでは、あそこまで巨大な街に育たなかったと思います。
そのパルコの生みの親、増田氏の話ですから、つまらない筈がないですよね。
朔美氏も打てば響くものをもつ人だったのでしょう。氏にタウン誌やテレビ番組の制作など次々に任せたり、増田氏も育て甲斐があったのだろうと思いますね。
個人的には西武がセゾンに変更したことを怒った話が好きです。
(確かに、この洒落たつもりになってる名前になってから、損をさせられているような気が…)


森茉莉と沼正三の名前にひかれて購入しましたが、この二人しか知らない自分でも充分楽しめる回顧録でした。
朔美氏が本に登場する著名人達から受けた影響や、その人物の人間像や仕事を丁寧に書いているのが好感がもてます。
ただ淡々としているだけではない読み応え手応え抜群。
ただの著名人自慢ではない本です。


劇的な人生こそ真実―私が逢った昭和の異才たち〔萩原朔美〕
【目次】
プロローグ
沼正三のプロペラ航空機
パルコを作った増田通二の更地
コルセットをした土方巽
森茉莉流ベッドに転がるテレビ
寺山修司はなぜ演出家を別格視したのか
母萩原葉子再婚話
東野研究室のドラムセット
エピローグ

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