痴人の愛〔谷崎潤一郎〕

画像きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。
河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。
性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。

読んだことのない方でも、このタイトルと粗筋だけは知っている筈。

『痴人の愛』初めて通しで読んでみたのですが、“なるほど、こういう話だったのか…”と。
ナオミのアメとムチの使い分けの見事さに感服し、譲治の徹底したドMぶりにも感動いたしました。

しかし、ナオミがあそこ迄ドSぶりを発揮できるのも、“美貌”というものがあるからなんだよね~。
フツーの女がナオミと同じコトやっちゃいかんよね。自殺行為でしょー。

ナオミには憧れを感じるし、下品でガサツなのにカッコイイとすら思う。

この小説を知ってる人や読んだことのある人が、
“アタシって、ナオミに似てるって言われるの~”とか、
“ナオミタイプなのぉ~~ぉ”

とか言ってると、ドつき回したくなるのは何故なのかしら?

だって、“全然、イメージとちゃうやん!”って思うし。
実際に読んでみて、ますます確信を深めましたよ。

小説は、ナオミ23歳、譲治36歳のところで終わるんだけど、“この二人、オジイとオバアになっても、ずっと暮らし続けていけるのだろうか?”と思いました。
愛にも美貌にも、賞味期限ってあるのではないかしら?
しかし、人間の性癖って、そう簡単には変わらないから、死ぬ迄うまいコトいってたのかもしれないですね。


下の写真が、ナオミが似ていると称された『メアリー・ピックフォード(Mary Pickford)』という女優です。
美しいです。銀幕を飾るに相応しい美貌の持ち主。
これだけ美しい女性ならば、ドMになって尽くしがいがあるというものですな。
“S女”になるには、美貌と才能と環境がいるんですね。“浮き世離れ”と同じように。
身の程知らずに手を出したら火傷どころじゃすまないだろうなぁ…
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