盗賊会社〔星新一〕

画像表題作をはじめ、斬新かつ奇抜なアイデアで現代管理社会を鋭く、しかもユーモラスに風刺する36編のショートショートを収録する。


この『盗賊会社』は傑作揃いですね。
これから星作品を読む方にオススメです。

以下はネタばれになりますので、これから未読の方は御覧にならないで下さいませ。


「雄大な計画」はスパイとしてライバル会社に潜り込んだ男が実績を上げ昇進し、自分を送り込んだ会社を倒産に追い込む話。
これは星さんのショートショートの中でも、特に達成感と爽快感がありますな。

「あるロマンス」は抜群の美人にのぼせ上がっていたら、実は浮気調査の人間だったという話。
これもまた夫が妻にギャフンと言わされるパターンの話ですが、やり口が陰険なので、ちょっと気の毒になってきますな。まぁ自業自得っぽいトコもありますけどね。

「あすは休日」は、休日をより楽しむ為に働いている気分が味わえる薬を飲む話。
実際にあったらどうなんでしょう…。
お金と生活に困ることがなければ、利用者がたくさん出てきそう。

表題作の「盗賊会社」は、盗難を行うために普段は品行方正に生活せねばならないという本末転倒な話でした。でも、こんな会社、入社してしまったら転職しようがないですよね。

「程度の問題」は、用心深いにも程があるスパイの話。ホント“程度の問題”って、こういうコトなのね~と思いました。

「善意の集積」は、気の毒な盲目の少女を親切なポプ星人がポプ星の標準体型に整形する話。
読後“なんだかな~”と思った話でした。善意ってなんなんでしょうね。

「最高のぜいたく」は、この文庫の中で一番好きな話です。
“外は猛吹雪、でも室内は空調がきいていて暑いくらいなので、半袖でアイスクリームを食べる”ってなタイプの話です。
正に“最高のぜいたく”なのですが、初読の時は“すっごいムダなことしているのでは?”と思いました。
ですが、ここ最近は、無駄なコトにお金を使えることが贅沢なのかもしれないと思うようになりましたな。


盗賊会社〔星新一〕
【目次】
雄大な計画
新しい社長
名案
ぼろ家の住人
滞貨一掃
あるロマンス
あすは休日
盗賊会社
殺され屋
あわれな星
やっかいな装置
程度の問題
趣味決定業
装置の時代
気前のいい家
最初の説得
仕事の不満
あるノイローゼ
声の用途
紙幣
大犯罪計画
感情テレビ
悲しむべきこと
時の人
善意の集積
黒い棒
なぞの青年
特許の品
打ち出の小槌
あるエリートたち
最高のぜいたく
無料の電話機
夕ぐれの行事
帰宅の時間
助言
長い人生

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